DIY BUILD GUIDE 200系 全対応 ステップ別解説

ハイエースを、
自分だけの 旅の拠点へ。

用途別レイアウト 6選、ベース車両選びの 6ステップ、基礎工事・内装・電装・8ナンバー構造変更まで。 実体験と一次情報に基づく、ハイエース200系の DIYキャンピングカー完全ガイド。初めての1台でも迷わないロードマップを、プレミアム仕様で。

6
用途別レイアウト
9
世代別マイナーチェンジ
8
ナンバー構造変更
北海道・美瑛の丘とハイエース
SHOT 01 · HOKKAIDO BIEI
北海道・美瑛 / 哲学の木の丘
azure sky, golden fields — drive after the harvest
★ 用途別レイアウト★ ベース車両選び★ 基礎工事★ 制振・断熱★ 床下地★ 電気配線★ 天井板張り★ 壁パネル★ ベッドキット★ LED照明★ ギャレー★ LiFePO4★ 走行充電★ ソーラー★ FFヒーター★ 8ナンバー
★ 用途別レイアウト★ ベース車両選び★ 基礎工事★ 制振・断熱★ 床下地★ 電気配線★ 天井板張り★ 壁パネル★ ベッドキット★ LED照明★ ギャレー★ LiFePO4★ 走行充電★ ソーラー★ FFヒーター★ 8ナンバー
THE ROADMAP

6ステップで迷わず完走するDIYロードマップ

ハイエース200系のDIYキャンピングカー製作は、「誰と・どこで・何をするか」を決めるところから始まります。 各章は独立して読めますが、上から順番に進めると失敗が少ないように構成しています。

CHAPTER 01 / ORIGIN

なぜ ハイエースが選ばれるのか?

ハイエース200系は2004年から続く国内最長寿バンシリーズのひとつ。 DIYキャンピングカーのベース車両として圧倒的な人気を誇るのは、 ①車内の広さ②カスタムパーツの豊富さ③リセールバリューの高さという3本柱が揃っているからです。

特にバンタイプは荷室がシンプルな構造で、最低限の装備しかなくDIYしやすいのが最大の特徴。ナローボディは取り回しが良く、ワイドボディは横幅と居住性で勝ります。

日本の田園に停まるハイエース
— 城崎温泉、コウノトリの湯にて。

圧倒的な広さ

四角くフラットな荷室は、ベッドも長物も収納も両立可能。

パーツ豊富

20年以上同一プラットフォームでアフターパーツが潤沢。

高リセール

10年以上経っても価値が落ちにくく、手放すときも安心。

MOST IMPORTANT

DIY前に決めておく「3つの質問」

レイアウトを決める前にこの3点を明確にしないと、ほぼ確実に作り直しになります。

Q1

誰が何人寝るのか?

大人の人数・子供の人数・年齢を具体化。就寝スペースがすべての出発点。

Q2

どんな目的で使うのか?

週末キャンプ/長期旅行/仕事(ノマド)/趣味(サーフ・スキー等)。

Q3

荷物は何を積むのか?

サーフボード・自転車・スキー板など長物の有無でレイアウトが決まる。

CHAPTER 02 / LAYOUTS

用途別レイアウト 6選

ソロ趣味、ノマドワーク、カップル、ファミリー、大家族、スポーツ仕様。 「誰と・何をしに行くか」で選ぶ、現実的で再現性のある6パターンを平面図と費用目安つきで解説します。

LAYOUT ①
ソロ・趣味仕様の上面図:跳ね上げ式ベッド/長物スペース/道具スペース/折りたたみテーブル
大人1名 3〜8万円

ソロ・趣味仕様
釣り・バイク・スキーのための荷物と寝る

1人で趣味を楽しみたいソロユーザー向け。片側(左)に跳ね上げ式ベッド、反対側(右)は道具スペース。中央をフリーにすることでサーフボード・スキー板・ロッドなどの長物がそのまま積載可能

  • イレクターパイプ+コンパネでベッドフレームを自作すると最安構成
  • 跳ね上げ式にすると収納時に荷室として使いやすい
  • テーブルはバーに板を掛けるだけの折りたたみ式で十分
REAL · PHOTO
海辺のハイエースから降りるサーファー
SURF TRIP · リアゲートを開けて海へ
LAYOUT ②
ソロ・ノマドワーク仕様の上面図:常設ベッド/作業デスク/27インチモニター/AC電源・USB/対座シート/サブバッテリー
大人1名 10〜20万円

ソロ・ノマドワーク仕様
走る仕事場、リモート特化

リモートワーカー・フリーランス・エンジニア向け。常設ベッド+作業デスク+AC電源が三種の神器。サイド窓に 27インチモニター を設置する事例や、対座シート+AC電源×9・USB×4の本格モバイルオフィス事例もあります。

  • サブバッテリー 100〜200Ah + ソーラー、または大容量ポータブル電源が基本
  • 2人で作業するなら「互いが視界に入らない配置」が集中に有利
  • 運転席〜荷室バーを利用した折りたたみデスクから始めると失敗が少ない
REAL · PHOTO
車内モバイルオフィス
MOBILE OFFICE · 道の駅で稼働中
LAYOUT ③
カップル・2人旅仕様の上面図:ダイネット/ギャレー(シンク・冷蔵庫)/常設ダブルベッド/ベッド下収納
大人2名 15〜30万円

カップル・2人旅仕様
長期旅行・バンライフへ

大人2名で長期旅行を楽しみたい方向け。常設ダブルベッド+ギャレー+ダイネット の3部屋構成。ハイエースの荷室長は約2mあり、2名が縦並びで寝られます。

  • キッチンを左側にまとめると動線がすっきり
  • ベッド下は収納スペースとして必ず活用する
  • ダイネットは食事+ちょっとした仕事も兼ねる
REAL · PHOTO
海沿いに停まるハイエース
SEASIDE · 二人だけの夕暮れ
LAYOUT ④
ファミリー仕様の上面図:セカンドシート前向き/上段ベッド・子供×2名(ワイドなら幅約170cm)/下段ベッド・大人×2名(下は収納スペース)/リバーシブル設計
大人2+子供2 10〜20万円

ファミリー仕様
大人2+小学生以下2名

家族4人で週末キャンプ・旅行を楽しみたい方向け。2段ベッド方式 で下段に大人2名、上段に子供2名。ワイドボディなら上段幅が約170cmとなり、女性でも横向きで就寝可能です。

  • 「シートからベッドへ誰でも展開できる」設計が疲れないコツ
  • ナローボディでも子供が小さいうちは4人縦並びで対応可能
  • プレートを外せば荷室として使えるリバーシブル設計が便利
REAL · PHOTO
家族でキャンプ
FAMILY CAMP · 設営はゼロ分
LAYOUT ⑤
大家族・スーパーロング仕様の上面図:FASPシート前向き4〜5名/コの字ダイネット+中央テーブル/間仕切り壁/後部2段ベッド常設・子供3〜4名
大人2+子供3〜4 20〜40万円

大家族・スーパーロング仕様
5人以上の旅行

子供が多い大家族向け。スーパーロング・ワイドボディ推奨の「2ルーム」特注レイアウト。コの字ダイネット+後部2段ベッド の組み合わせで、ボードを渡すと追加の子供ベッドになります。

  • 5人以上はワゴンタイプ or スーパーロングが快適性で勝る
  • 子供が成長したら2段ベッドを外し、全面フラットに変更しやすい設計にする
  • 間仕切り壁を付けると就寝時に「2部屋感覚」で使える
REAL · PHOTO
ハイエース車内の2段ベッドレイアウト
BUNK INTERIOR · 木で仕上げた2段車内
LAYOUT ⑥
趣味特化スポーツ仕様:天井ルーフラックにサーフボード/スキー板/キャンプギア、車内に跳ね上げベッド、ウェット・道具置き場、床下スライド収納
大人1〜2名 8〜15万円

趣味特化+キャンプ
サーフィン・スキー・自転車

大きな道具を積みながら車内でも快適に寝たい方向け。天井ラック・床下スライド収納・跳ね上げベッド を組み合わせて、濡れ物にも強いFRP床仕様。

  • ベッドを跳ね上げると荷室全面が道具スペースに
  • ルーフ内側にスキー板・サーフボード収納ラックを追加
  • 床材はクッションフロアやFRP貼りで水濡れ対策
REAL · PHOTO
雪山のハイエース
SNOW VILLAGE · 板を積んで雪の里へ

レイアウト別 就寝人数まとめ

#レイアウト名大人子供主な用途
ソロ趣味仕様1名0名釣り・スキー・バイク
ノマドワーク仕様1名0名リモートワーク・フリーランス
カップル・2人旅2名0名長期旅行・バンライフ
ファミリー2名2名家族キャンプ・週末旅行
大家族2名3〜4名大人数旅行(要スーパーロング)
趣味特化スポーツ1〜2名0名サーフ・スノボ・自転車
INTERMISSION JOURNEY LOOKBOOK · ドライブルート

設計の前に、行きたい場所を決めよう。

「キャンピングカーは目的地と一緒に設計する」。ハイエースの自由度は、 道の駅にも、雪の里山にも、海岸線の路肩にも、駐車一台分のスペースさえあれば届くこと。 以下は実際にこの車で訪れた目的地の一部です。

— mapped routes, real photos, no stock.
本栖湖から望む富士山
CHUBU · YAMANASHI
本栖湖と富士山の朝
— 千円札の構図を、実車で。
角島大橋
CHUGOKU · YAMAGUCHI
角島大橋
— turquoise water, sea-to-sea.
阿蘇のミルクロード
KYUSHU · KUMAMOTO
阿蘇 / ミルクロード
瀬戸内の島々
SETOUCHI · ISLANDS
展望台から見渡す瀬戸の海
— 凪いだ午後、車内でコーヒー。
海岸線のドライブ
SEASIDE ROUTE
日本海・国道沿いの一本道
— カーブの先がまだ青い。
01 北海道・美瑛 02 羊蹄山 03 白川郷 04 本栖湖 05 角島大橋 06 阿蘇ミルクロード 07 瀬戸内・しまなみ 08 日本海沿岸 09 静岡・茶畑 10 出雲 01 北海道・美瑛 02 羊蹄山 03 白川郷 04 本栖湖 05 角島大橋 06 阿蘇ミルクロード 07 瀬戸内・しまなみ 08 日本海沿岸 09 静岡・茶畑 10 出雲
CHAPTER 03 / BASE VEHICLE

ハイエース200系 ベース車両選びの6ステップ

ボディ・グレード・エンジン・型(マイナーチェンジ)・価格相場・維持費。 DIY初心者がつまずきがちな「最初の1台選び」を、数字ベースで整理します。

01

ボディタイプを選ぼう

すべての出発点。室内寸法と駐車条件のバランスで決める。

ハイエース4種ボディタイプのサイズ比較(標準×標準ルーフ/標準×ハイルーフ/ワイド×ミドルルーフ/ワイド スーパーロング×ハイルーフ)
ボディ全長全高室内高特徴
標準 × 標準ルーフ4,6951,9801,220普通駐車場OK・小型キャンプ向き
標準 × ハイルーフ4,6952,2851,825立って動ける!DIY定番
ワイド × ミドル4,8401,9901,395横幅余裕・立体駐車場はほぼ不可
ワイドSL × ハイルーフ5,3802,2851,895最大空間・取り回しは難
DIY初心者おすすめ

標準ボディ・ハイルーフ。全幅1,695mmで立体駐車場(高さ2.1m以上)も利用可能、中古在庫豊富で価格も手頃。

PARKING COMPATIBILITY

📐 そのボディ、停められる?

条件 標準
標準
標準
ハイ
ワイド
ミドル
ワイドSL
ハイ
立体駐車場(高 2.1m)
機械式駐車場(高 1.55m)
コインパーキング 標準枠
自宅駐車場 一般要計測

※ 立体駐車場の代表値(2.1m)。施設により制限は異なります。

室内高 1,825mm の意味

標準的な身長の人が 立ったまま着替え・調理ができる目安。1,395mmだとかがむ必要があり、長期使用で疲労に直結。

就寝定員の上限

標準ボディ=2名フルフラットが基本。ワイドSLハイルーフなら4〜5名2段ベッド構成可能。

DECISION TREE
迷ったらこの順で決める ↓
  1. 自宅・職場の駐車場制限を実測する(高さ・幅・長さ)
  2. 就寝定員を決める(→ Chapter 02 レイアウト6選)
  3. 立って動きたいか? Yes → ハイルーフ確定
  4. 残りはボディの長さで選ぶ(取り回し vs 居住性)
02

グレードを選ぼう

スーパーGL vs DX。完成度か、DIYの自由度か。

PRIVATE USE

スーパーGL

  • ・本革調シート/木目パネル/カーペット
  • ・大型スライドドア窓あり
  • ・カーテン・ベッドキット対応
  • ・新車価格 約330〜360万円
  • ・DIY向き ◎(完成度高い)
BUSINESS USE

DX(デラックス)

  • ・樹脂内装/金属むき出し感
  • ・側面無窓 or 標準窓
  • ・標準装備は最小限
  • ・新車価格 約270〜310万円
  • ・DIY向き ○(自由度最大)

DXベースに装備を追加した 「DX GLパッケージ」 も存在。価格と装備のバランスが良くDIYベースとして人気。

03

エンジン・駆動方式を選ぼう

ガソリン vs ディーゼル/2WD vs 4WD の損益分岐点。

ハイエース200系 エンジンと駆動方式まるわかりガイド:5種類のエンジン比較、2WD/4WDの違い、用途別おすすめ、キャンピングカーDIYベースのランキング
ENGINE × DRIVETRAIN — 1TR / 2TR / 2KD / 1KD / 1GD-FTV & 2WD vs 4WD まるわかりガイド
ガソリン 2TR-FEディーゼル 1GD-FTV
最高出力152ps177ps
最大トルク241N·m450N·m
燃費9〜10km/L11〜12km/L
年間燃料費15〜18万円11〜14万円
初期費用差基準+25〜30万円
向いている街乗り・近距離長距離・山岳・重荷
2WD(FR)

燃費良好、車高低め、スタッドレスで関東〜近畿の雪道は対応可能。普段使い重視の人向け。

4WD(+35〜40万円)

車高高め、東北・北海道・山間部キャンプに安心。長野・岐阜奥地を頻繁に行く人向け。

04

1型〜9型の違いを知ろう

2004→2026。20年続く同一プラットフォームの世代別評価。

発売主な変更点DIY観点評価
1型2004.8〜初登場・丸目ヘッドライト安価だが装備古め
2型2007.8〜角目フェイス・ディーゼル強化程度次第でお買い得
3型2010.7〜内外装大幅刷新コスパ◎
4型2013.12〜ダークグリル・衝突回避一部装備バランス良
5型2017.12〜Toyota Safety Sense 初採用安全性の転換点
6型2019.4〜クリアランスソナー・ウッドI/P先進安全充実
7型2021.11〜1GD改良・後退時ブレーキエンジン信頼性UP
8型2025.1〜アースカラー・USB-C対応最新デザイン
9型2026.1〜ACC全車速・TSS 3.0最新型・全LED標準
〜100万円
3型・4型狙い目
100〜200万円
5型・6型(AEB付)
200万円〜
7型・8型ほぼ新車品質
新車で買う
9型・ACC&全LED標準
05

価格相場と予算計画

型(年式)走行距離中古相場(GL)
1〜2型(〜'09)10〜20万km50〜100万円
3〜4型('10〜'16)8〜15万km150〜250万円
5〜6型('17〜'21)3〜10万km250〜380万円
7〜8型('21〜'25)1〜5万km350〜500万円
9型('26〜)ほぼ新車新車のみ
盗難リスク: ハイエースは盗難が多い車種。購入後すぐに イモビライザー/GPS追跡 の導入を。
06

維持費を理解しよう

項目4ナンバー1ナンバー3ナンバー
自動車税/年16,00040,50043,500〜
車検サイクル1年 or 2年1年ごと2年ごと
高速料金普通車中型車普通車
年間維持費目安30〜50万50〜70万45〜65万

DIY目的なら 4ナンバーのまま維持が最も経済的。ただし本格的にキャンピング化するなら 8ナンバー(特種) への構造変更が有利な場合も(後述Chapter 08)。

TRAILFUSION PICK

初めてのDIYキャンピングカー ベスト構成

ハイエース200系 5〜6型(2017〜2021)スーパーGL 標準ボディ・ハイルーフ ディーゼル 2WD

Toyota Safety Sense 搭載で安全性確保/室内高1,825mmで大人が立って動ける/中古相場250〜380万円/普通の立体駐車場も利用可/ディーゼルの豊富なトルクで山道も楽々。

CHAPTER 04 / FOUNDATION

基礎工事 (見えないところの勝負)

ハイエースは商用車ベースで天井・床・側面・ホイールハウスの鉄板が大きく、雨音・ロードノイズ・熱・結露 の影響を受けやすい。ここを最初にしっかりやると、後で家具・電装・ベッドを組んだときの快適性が全く変わります。

ハイエース キャンピングカーDIYの基礎工事ガイド:制振・防音・断熱の役割、おすすめ順、施工場所別の貼り分け、代表材料、優先順位、施工の3つのキモまで実践まとめ
PRACTICE 01

床を閉じる前にやる、2つの仕事

基礎工事の図には書ききれない、床下地電気の仮配線。この2つは「床を閉じてしまったらやり直しが効かない」工程。順番と段取りで仕上がりが決まります。

FLOORING SUBSTRUCTURE

床下地(根太+コンパネ)

根太は荷重を分散してフラット化するだけでなく、断熱材を受ける枠・配線のルート にもなる。車体のリブ(凸部)の上に載せて、面で支える考え方。

  1. 荷室寸法&リブ位置を採寸してスケッチ図
  2. 2×4材や角材を図面に基づきカット
  3. 凹凸に合わせてスペーサーで水平出し
  4. ビスで本固定しフレーム化、防腐塗料
  5. 根太間に断熱材+仮配線を収める
  6. 12mm合板をビス固定(継ぎ目は根太上)
  7. クッションフロアを接着剤+ローラー圧着

★ NG: 柔らかい断熱材だけ敷いて床板を置く → 人・家具・荷物の重みで沈みます。荷重は根太+合板で受ける、断熱材は隙間を埋めるのが鉄則。

PRE-WIRING

電気の仮配線

床を閉じる前に、9箇所の予定位置まで配線(or 空配管)を通しておく。後から通すと壁・床・天井をもう一度開ける羽目に。

① サブバッテリー位置
② 分電盤・主スイッチ
③ LED天井(6灯前後)
④ USB・AC コンセント
⑤ 冷蔵庫電源
⑥ インバーター位置
⑦ FFヒーター制御
⑧ ソーラー引き込み
⑨ 外部電源インレット
  • 太い電源線はサイドステップ下/フロアサイド
  • 根太の間に配線溝と点検口を確保
  • 予備配管(CD管)を1本入れておくと将来追加が楽
PRACTICE 02

結露と水抜き、HiAce固有の落とし穴

断熱だけで結露は消えません。断熱+換気+水の逃げ道 がセット。商用ベースのハイエースには「水が入る前提で抜く穴」が複数あり、これを塞ぐと深刻なサビ→車体寿命直撃に。

① 冷たい鉄板に触れさせない

暖かく湿った空気が冷えた鉄板に触れた瞬間に結露。側面・天井・床は鉄板に直接室内空気が触れないよう連続した断熱層を作る。

② 湿気を車内に溜めない

就寝中は人の呼気で湿度上昇。小窓を1cm開ける・換気扇を弱で常時運転・濡れ物は車外。除湿剤だけに頼ると吸湿後にむしろ放湿源に。

③ 水抜き穴を塞がない

ドア下・側面下部・床端の水抜き穴は絶対に塞がない。テープ・断熱材・吸水材の詰め込みでサビ事故多発。施工後に下から確認を。

PRACTICE 03

施工効果を「実測」で残す

「効いてる気がする」では設計に活きません。施工前後でデータを取ると、追加施工の判断もSNS発信も全部できるようになります。

温度ロガーで断熱効果

  • 晴天日/同じ駐車場所/同じ時間帯/窓は閉
  • 車内中央に温度ロガー、5〜10分間隔で記録
  • 最低1〜2時間(夏は4時間以上推奨)
  • 比較指標:最高温度/上昇スピード/夜間冷え方

スマホ騒音計で制振効果

  • 高速80km/h・100km/hで定速走行
  • 運転席耳元/セカンド/荷室/ベッド位置で測定
  • 雨の日は天井の制振効果を測れる
  • 絶対値より施工前後の差として読む
事例: 制振+吸音施工で約 10dB の低減が報告される例も。10dB =体感で「音量が半分」。
PRACTICE 04

HiAce DIYで多い、6つの失敗

① 脱脂不足で剥がれる

天井で剥がれると最悪。パーツクリーナー+シリコンオフ+アルコールの三段拭き上げ、ローラー圧着で防げる。

② グラスウールを裸詰め

湿気を吸って結露・カビ・サビの3点セット。使うなら防湿フィルムで包む+下が開いた空間に詰めない

③ 配線ルートを決めずに床を閉じる

床を開け直すコストが想像以上。9箇所の予定位置を確定してから本固定。空配管を1本入れておくと未来の自分が救われる。

④ 水抜き穴を塞ぐ

ドア・側面下部の純正穴をテープや断熱材で覆うとサビ事故。施工後は下から目視確認

⑤ エアバッグ・ハーネス干渉

サイドエアバッグ/リアヒーター/純正ハーネス周りは絶対に圧着・挟み込み禁止。事前にサービスマニュアル確認

⑥ 重くしすぎる

制振材ベタ貼り+断熱厚盛りで車両重量が増え、燃費・積載・走行性能に直撃。必要な場所に効率よくが鉄則。

PRACTICE 05

工具・費用・時間の現実

必要工具

内張りはがし クリップ外し 制振ローラー カッター/ハサミ メジャー マスキングテープ パーツクリーナー シリコンオフ ウエス/手袋 防塵マスク ★ グラスウール使用なら長袖+ゴム手袋+保護メガネ

材料費目安

内容 標準 厚め
制振材1.5万3〜5万5〜8万
吸音材1〜2万2〜4万4〜7万
断熱材1.5万3〜6万6〜10万
副資材1〜2万2〜3万3〜5万
合計5〜10万10〜18万18〜30万

初回は 10〜15万円 でバランス施工がおすすめ。

作業時間と週末プラン

  • 内装分解・清掃4〜6h
  • 制振施工8〜12h
  • 防音・吸音4〜8h
  • 断熱施工6〜10h
  • 電気の仮配線4〜8h
  • 床下地6〜10h
  • 床仕上げ+CF6〜10h
TOTAL
延べ 40〜60時間 / 週末 3〜5週
CHAPTER 05 / INTERIOR

内装仕上げ — 完成度の8割はここで決まる

基礎工事が終わったらいよいよ「見える部分」へ。天井板張り・壁パネル・ベッドキット・LED照明・収納/カーテン の5工程。週末3〜5回(延べ10〜15日)が目安。

BEFORE YOU START

絶対に先にやる3つ

  1. 電気配線を先に通す — 天井・壁を塞ぐ前にLEDテープ・ダウンライト・スイッチ類の電線をコルゲートチューブに通して配索。閉鎖後の通線は非常に困難。
  2. エビナット/ターンナットを先に打つ — 壁下地固定用の金具を鉄板に設置。後から穴開けしづらい場所がある。
  3. ウォルナット等の塗装は先に済ませる — 羽目板は取付前に2〜3回塗装。取付後に塗るとムラになる。
杉羽目板の天井 CEILING / 杉羽目板
01

天井板張り

ハイエース天井は約3.5㎡と室内で最大面積。内装の印象を左右する重要パーツ。杉羽目板(節なし)が定番で、とどまつ・合板も候補。

  1. 天井内フレーム位置をマスキングテープでマーキング
  2. 取付前に水性ステインで全面2〜3回塗装+#240やすり
  3. 車体中心線に平行に1枚目を設置(基準線)
  4. 本実加工の溝を噛み合わせながら4×19mmサラビスで固定
  5. 両端カーブ部はジグソーでカット調整、トリム/幕板で隠す
  6. 照明穴はホールソーで開け、通線済み配線を引き出す
1〜1.5日 4,000〜11,000円
02

壁パネル(サイドパネル)

スライドドア側・ホイールハウス上・ピラー部分など複雑な形状への対応が必要。ダンボールで型紙を作るのが一番時間のかかる作業。

方法難易度特徴
エビナット+ボルト★★★取外可・強固
ターンナット★★純正穴活用
両面テープ+ボンド剥がれリスク
内張りクリップ強度低め
2〜3日 約20,000円
壁パネル WALL / サイドパネル
ベッドキット BED / 常設フラット
03

ベッドキット(木材フレーム)

ラゲッジ部(セカンドシート後方)はフラット展開時 約1,900×1,400mm。成人男性が足を伸ばして就寝可能。2×4材+構造用合板 が初心者ベスト。

  • ダンボール型紙で現物合わせ(リアヒーター/タイヤハウスの出っ張り注意)
  • ホームセンターのカットサービス(1カット50〜100円)
  • 12mm合板はたわむので垂木補強 or 15mm合板
  • ウレタンスポンジ+ビニールレザーをタッカーで固定
  • 鋼製束・L字金具で根太にビス固定(走行中のガタつき防止)
2〜3日 15,000〜30,000円
車内のLED照明とダイネット
04

LED照明の配線と取付

12V・3W・外径68mmが汎用。Ra90以上の高演色タイプにすると食事が美味しく見える。ホールソー68mm→配線→圧着スリーブ+収縮チューブ→点灯確認→本固定。

照明6灯の合計 ≈ 5,000〜10,000円/所要時間 0.5〜1日
05

収納・棚・カーテン

  • ラゲッジボード/上部棚:L字アングルをエビナット固定、ラワン合板9mmを渡す方式(5,000〜10,000円)
  • 仕切りカーテン:突っ張り棒式の伸縮レール2本(5,000〜7,000円)+断熱ライナー
  • 小物収納:アイアンバー・有孔ボード・木製ボックス等100均活用(1,000〜6,600円)
1日

内装仕上げ 全体費用まとめ

工程DIY費用所要時間
天井板張り4,000〜11,000円1〜1.5日
壁パネル(両側)15,000〜25,000円2〜3日
ベッドキット15,000〜30,000円2〜3日
LED照明(6灯)5,000〜10,000円0.5〜1日
収納・棚・カーテン5,000〜15,000円1日
合計44,000〜91,000円7〜10日

※ 工具(インパクト・丸ノコ等)新規購入は+15,000〜40,000円。市販の完成ベッドキットだけでも約15万円前後するため、DIYで大幅コスト削減可能。

CHAPTER 06 / FURNITURE

家具・設備・ギャレー (走行中の安全が最優先)

見た目より先に「固定方法・重量・車検・安全性」を決めてから意匠を進めるのが、やり直しと異音を減らすコツ。 初心者には ① 壁・天井の木張り → ② 常設 or 簡易折りたたみベッド → ③ ベッド下収納 → ④ 取り外し式ギャレー の順がおすすめ。

A

常設ベッド+片側収納

2人車中泊優先。展開が速く収納量も確保しやすい。日常の大物積載は減る。

B

折りたたみ+可搬収納

普段使いと兼用。荷室を空けやすいが、展開・片付けの手間がある。

C

スライド式ベッド

荷物整理と就寝を両立。下部収納を活かしやすいが、レール・フロア強度設計が難しい。

車内ギャレーとシンク GALLEY / 木制シンク台

ギャレーと簡易キッチン

初心者は給水タンク・排水タンク・小型シンク・手動または簡易電動ポンプの構成が扱いやすい。最初はユニット化して取り外しできる箱型ギャレーが現実的。

  1. 家具内に給排水タンク置き場を確保
  2. 天板にホールソーでシンク穴→コーキングで固定
  3. 給水・排水ホースを接続
  4. 手動/電動ポンプを組み込む
  5. 走行中動かないようベルト・仕切りで固定
  6. 漏水試験と排水臭対策を必ず確認
簡易ギャレー 1〜5万円

走行中の家具飛散を防ぐ4原則

① 多点固定
既存ボルト穴/ターンナットを優先しL字・平金具で床・側面へ複数点固定。
② ラッチ付ける
扉・引き出しには走行中開かないラッチ or キャッチを必ず。
③ 重心は低く
上置き収納は最小限。重量物は床近くに。軸重バランスも意識。
④ 角を面取り
乗員接触時の怪我を減らす。鋭利な切り口はエッジガードで保護。
"
家を移動させるのではなく、
行きたい場所が、いつもそこにある状態にする。
— TrailFusion AI / Hiace 200 build notes
5万+
km on this build
47
prefectures touched
120+
overnight spots
0
hotel night needed
CHAPTER 07 / SUB-BATTERY & ELECTRICAL

サブバッテリー & 電装システム

ハイエースで初めて本格的に組むなら、最初に目指すべきは 「大容量化」ではなく、DC中心・中容量・保護設計が整った安全な電装」。 バッテリー容量より、系統設計と保護設計の整合が最優先です。

— wire size before watts.
01 · CONCLUSION FIRST

初回おすすめ:安全重視ミドル構成

いきなり300Ah以上・2000W超インバーター・家庭用エアコン運用を狙うより、まずはこの構成。照明・USB・換気・冷蔵庫・PC・スマホ・小型家電はかなり快適に動きます。

項目おすすめ仕様
バッテリーLiFePO4 12V 200Ah(BMS・低温充電保護付き)
走行充電器DC-DC 40A
ソーラー200W前後
MPPT20〜30A級
インバーター純正弦波 1000W前後
DC分電盤12Vヒューズ付き
主ヒューズバッテリー直後に必須
監視バッテリーモニターまたはBluetooth BMS
外部100V充電将来拡張
THIS IS REALISTIC FOR
照明・USB・換気・冷蔵庫・PC・短時間電子レンジ
SEPARATE DESIGN
電子レンジ常用・ドライヤー・エアコン

インバーター・配線・ヒューズ・バッテリー放電能力が一気に大きくなる。別レベルの設計です。

※ 空調は FFヒーター後付けルーフエアコン後付け の BONUS 章を参照。
02 · THE GOLDEN RULE

最重要は容量ではなく、この順番

STEP 1
何を使うか
STEP 2
何W必要か
STEP 3
何A流れるか
STEP 4
配線がその電流に耐えるか
STEP 5
ヒューズで配線を守れているか
同じ電力でも12V系は電流が大きい
機器 消費電力 12V側の電流
LED照明10W約 1A
冷蔵庫40W約 4A
ノートPC60W約 6A
電子レンジ1000W約 90〜100A
ドライヤー1200W約 110〜130A
2000Wインバーター最大2000W180〜200A以上
CRITICAL
1000W超 = 家庭用100Vの感覚と全く違う世界

太いケーブル・大容量ヒューズ・強い圧着・短い配線が必要。製品マニュアル記載の DCケーブルサイズとヒューズサイズ を必ず確認してください。

03 · POWER BUDGET

まず作るべき、1日の電力リスト

使いたい家電を全部書き出して、1日のWhを積み上げる。これがバッテリー容量を決める唯一の出発点です。

機器消費W使用時間1日 WhAC/DC
LED照明10W5h50WhDC
換気扇20W6h120WhDC
冷蔵庫30W24h720WhDC
スマホ充電20W3h60WhUSB
PC充電65W4h260WhAC/DC
電子レンジ1000W0.2h200WhAC
合計約 1,410Wh
FORMULA
必要Ah = Wh ÷ 電圧V
        ÷ 放電率 ÷ 効率
WORKED EXAMPLE — 1,500Wh/日
1500Wh ÷ 12.8V ÷ 0.8 ÷ 0.9
= 約 163Ah
→ 余裕を持って 200Ahクラス が現実解。
04 · LITHIUM IRON PHOSPHATE

LiFePO4の必須チェック7項目

安いLiFePO4を買えばよいわけではありません。BMSの品質と保護機能で使い勝手と寿命が大きく変わります。

① BMS内蔵

過充電・過放電・過電流から本体を保護。これがない製品は除外。

② 低温充電保護

多くのLiFePO4は 0℃以下で充電NG。冬の車中泊なら必須機能。

③ 連続放電電流

インバーター運用の可否に直結。1000W使うなら100A以上が安心。

④ 最大放電電流

電子レンジ・ドライヤーの突入電流に耐えるか。瞬間値で見る。

⑤ Bluetooth監視

残量・電流・温度をスマホで確認可能だと運用が劇的に楽になる。

⑥ 並列可否

100Ah×2で200Ah化する場合に必須。仕様書を必ず確認。

⑦ 確実な固定

バッテリーは事故時に重量物の凶器になります。金具・ベルト・固定台で前後左右上下すべての方向に動かないこと。「置いただけ」は絶対NG。

寒冷地で使うなら:低温充電保護 or ヒーター内蔵モデル

充電温度 0〜50℃/放電温度 -20〜60℃ のレンジが一般的。スキー場・標高の高い場所・雪中泊なら、低温充電保護付きBMS または 自己加温ヒーター付きLiFePO4 を強く推奨。

05 · DC-DC CHARGER

走行充電器は DC-DC 一択。

出力向いている構成備考
20A100Ah・ライト構成長距離移動派
30A100〜200Ah・軽め
40A200Ah・標準初回バランス◎
50〜60A200〜300Ah・大きめ太径ケーブル必須
60A超業務向けオルタネーター負荷/配線設計が難しくなる
なぜDC-DCなのか

現代のハイエースは電圧制御車。単純なアイソレーターでは充電が安定しません。昇降圧と充電制御を内蔵したDC-DC型が、LiFePO4を確実に満充電にできる唯一の選択肢です。

CAUTION

大出力ほど充電は速いが、メインバッテリー側の配線・ヒューズ・オルタネーター負荷・熱の問題が大きくなる。「大きい=良い」ではない。

06 · SOLAR + MPPT

ソーラーは主役ではなく、日中の消費を補うもの

ルーフソーラーパネル ROOFTOP / 200W solar
100W
補助充電・冷蔵庫補助
200W ★
標準的、かなり実用的
300W
夏の冷蔵庫・換気・連泊向き
400W+
ルーフ面積・重量・配線が課題
PWMよりMPPTを選ぶ理由

部分日陰・ルーフ温度上昇・冬場の低日射でも変換効率が大きく落ちにくい。入力電圧上限/開放電圧Voc(冬は上がる)/防水グランド/パネル裏通気/前後ヒューズに注意。

07 · INVERTER

インバーターは 純正弦波、初回は1000W前後。

出力使えるもの12V側 電流目安
300WPC・カメラ充電・小型家電約 25A
600W小型家電・軽めのAC機器約 50A
1000W小型電子レンジ一部・複数同時充電約 85A
1500W電子レンジが現実的に使える約 130A
2000Wドライヤー・ケトル・電子レンジ常用180〜220A
3000W家庭用エアコン等(設計難度極高)250A超
疑似正弦波はNG

安いが電子レンジ・モーター・充電器・精密機器で相性問題。純正弦波(pure sine wave)を選ぶ。

2000W級の意味

12V側で約180A以上が流れる領域。ケーブル・端子・圧着・ヒューズ・バッテリーBMSの全てが大電流対応でないと危険です。

08 · PLACEMENT

ハイエースのどこに置くか

場所メリット注意
セカンドシート下重心が低い/配線しやすいスライド/足元干渉
ベッド下収納容量を取りやすい熱・メンテ性
荷室側ボックス電装盤を作りやすい配線距離が長い
運転席/助手席下省スペース車種・仕様で制約
低い位置
重心を上げない
確実な固定
急ブレーキ・事故対策
熱がこもらない
BMS・インバーター保護
水がかからない
ショート防止
メンテできる
ヒューズ交換・点検
配線を短く
電圧降下・発熱低減
09 · SYSTEM DIAGRAM

基本構成図 — バッテリー直結はしない

全てをバッテリー端子に直接つながない。主ヒューズ → メインスイッチ → バスバー → 各機器 の流れで整理すると、保守性と安全性が一気に上がります。

ハイエースのサブバッテリーシステム実践ガイド(初回おすすめ構成):基本構成図/電力計算/重要ポイント/3構成比較/取付ステップ/最終チェックリスト
10 · MOST CRITICAL

ヒューズは 「機器」ではなく 「配線」を守る。

100A流れる機器があるから100Aヒューズ、ではありません。 正しくは「その配線が安全に流せる電流以下のヒューズを入れる」。 細い配線に大きなヒューズを入れると、ショート時にヒューズが切れる前に 配線が焼けます

ヒューズを必ず入れる場所

場所必要性
★ メインバッテリー+直後必須
★ サブバッテリー+直後必須
DC-DC 入力/出力必須
MPPT 入力/出力推奨〜必須
インバーター入力必須
DC分電盤 各回路必須
FFヒーター電源必須
冷蔵庫電源必須

配線サイズの目安

回路電流配線
LED/USB5〜15A1.25〜2sq
冷蔵庫5〜15A2〜3.5sq
FFヒーター10〜20A2〜5.5sq
DC-DC 20A20〜30A5.5〜8sq
DC-DC 40A40〜60A14sq以上
DC-DC 60A60〜80A22sq以上
1000W インバーター約 100A22〜38sq
2000W インバーター180〜220A38〜60sq

※ 最終判断は必ず機器マニュアルと電線仕様で確認。後部まで長く引く場合は電圧降下も問題に。

11 · THREE TIERS

用途別の おすすめ3構成

LIGHT

ライト構成

  • LiFePO4 100Ah
  • DC-DC走行充電器 20〜30A
  • ソーラー 100〜200W
  • 純正弦波インバーター 300〜600W

週末車中泊・日帰り・電気をあまり使わない人向け。照明・USB・換気・PC・冷蔵庫少しまで。

十数万円〜
★ MOST POPULAR
MIDDLE

ミドル構成

  • LiFePO4 200Ah
  • 走行充電器 40A
  • ソーラー 200〜300W
  • インバーター 1000〜1500W

一番おすすめ。ハイエースDIYの現実解。冷蔵庫・PC・照明・換気・短時間レンジまで快適。

30〜60万円
HEAVY

ヘビー構成

  • LiFePO4 300Ah以上
  • 走行充電器 50〜60A以上
  • ソーラー 300〜500W
  • インバーター 2000W級

長期連泊・夏の車中泊・家庭用家電を使いたい人向け。DIY難度と危険度が一気に上がる。

50〜100万円+
12 · COMMISSIONING

いきなり全部つながない、5段階の試験

PHASE 01
目視確認

極性・ヒューズ容量・端子緩み・被覆傷・金属エッジ接触・通気を全数チェック。

PHASE 02
無負荷電圧

テスターでバッテリー端子・バスバー・DC分電盤・インバーター入力・MPPT出力の極性と電圧を確認。

PHASE 03
小負荷

LED・USBだけ通電。ヒューズが飛ばない/配線発熱なし/電圧降下なし/異臭なし。

PHASE 04
充電テスト

走行充電・MPPTを別々に確認。設定電流/バッテリー温度/BMS履歴/メインバッテリー電圧。

PHASE 05
インバーター

小さいAC機器から段階的に。警告/ケーブル発熱/端子発熱/電圧降下/BMS遮断なし。

13 · COMMON FAILURES

先人がやらかした 7つの失敗

① 容量だけ大きくする

300Ahにしても、配線・充電器・ヒューズ・インバーターが追いついていなければ危険。

② インバーターを大きくしすぎる

2000W=12V側で180A以上。配線もヒューズもBMSも全部大電流仕様にしないと意味がない。

③ ヒューズが機器側にしかない

バッテリー+直後の主ヒューズなしは、配線ショート時に大電流が流れ続ける。

④ 配線が細い

電圧降下で走行充電器やFFヒーターがエラーに。後部まで長く引くなら太く。

⑤ アースを車体任せ

大電流系はマイナスもバスバー戻しが分かりやすい。車体アースなら塗装除去・防錆・接触抵抗の確認を。

⑥ 端子圧着が甘い

圧着不良は見た目で分かりにくく、使用中に発熱して火災リスク。太線は専用工具で確実に。

⑦ 熱がこもる

インバーター・DC-DC・MPPTは熱を持つ。ベッド下や収納内に密閉すると、夏場に保護停止しやすい。必ず通気を確保すること。

14 · FINAL CHECKLIST

通電前に、この4つを全部✓。

SET 01 · DESIGN
設計前
  • ☐ 使う家電を一覧化した
  • ☐ 1日Whを計算した
  • ☐ 同時使用最大Wを決めた
  • ☐ AC機器とDC機器を分けた
  • ☐ レンジ・エアコンの使用有無を決めた
SET 02 · PARTS
部品選定
  • ☐ LiFePO4はBMS付き
  • ☐ 低温充電保護あり
  • ☐ 走行充電器はLiFePO4対応
  • ☐ インバーターは純正弦波
  • ☐ MPPT入力電圧上限を確認
  • ☐ ヒューズ容量と配線sqを決めた
SET 03 · INSTALL
施工
  • ☐ バッテリーを確実に固定した
  • ☐ 主ヒューズをバッテリー直後に
  • ☐ プラス端子を絶縁した
  • ☐ 金属エッジを保護した
  • ☐ 配線を固定/熱源から離した
  • ☐ インバーターに通気を確保した
SET 04 · TEST
試験
  • ☐ 極性確認
  • ☐ 無負荷電圧確認
  • ☐ 小負荷テスト
  • ☐ 走行充電/ソーラー充電テスト
  • ☐ インバーターテスト
  • ☐ 端子発熱/BMSエラー履歴確認

DC中心 → 冷蔵庫・照明・USB・FFヒーター → 小型インバーター → 必要なら大容量化 の順で進めるのが、安全で失敗しにくい唯一の道です。

BONUS FF HEATER INSTALLATION

冬の車中泊を変える、
FFヒーター後付け10ステップ。

ルーフエアコンと並んで、車中泊の体感品質を一気に底上げする装備。DIY可能ですが、排気漏れによる一酸化炭素中毒燃料系の不備による火災が最大のリスク。 設置場所選び・床穴あけ・排気経路・燃料取り出しまで、外せないポイントを1枚に凝縮しました。

— 雪の長野、車内+18℃。
ハイエース FFヒーター取り付けガイド:9つの工程/設置場所の決め方/事前確認/必要な工具・部材/取り付け10ステップ/絶対NG行為/車検・構造変更/安全装備/出力選び方/DIYおすすめ手順/最終チェックリスト
SHORTS / 実際の取り付け
REAL FOOTAGE
実際にハイエースへ後付けした、FFヒーター取り付けの実録Shorts。
YouTubeで開く
THE FOUR NON-NEGOTIABLES

命に関わる4つの絶対。

① 排気は車外へ確実に

排気管の隙間処理を怠ると一酸化炭素が車内へ。窓・吸気口から離す/水が溜まらない勾配/雪で塞がらない高さを必ず確認。

② 燃料系はやり直さない

車両タンク分岐は難易度高。DIY初回は専用タンクを追加する方が確実。燃料ホースはタイラップだけで固定しないこと。

③ ヒューズを必ず挟む

サブバッテリーから直結は禁忌。規定電流のヒューズ+電圧降下を抑える太い配線。コントローラーは操作しやすい位置に。

④ CO警報器は必須装備

設置後は一酸化炭素警報器・CO/温度モニター・消火器を必ず携行。試運転は燃料漏れ・排気漏れ・温風安定・床下熱害を全項目チェック。

出力の目安

ハイエースなら何kWを選ぶ?

2kW
標準ボディ・暖かい地域・静かに使いたい
3kW
標準〜ワイドボディ。汎用性が高い定番
5kW ★寒冷地
ワイドSL・寒冷地・雪中泊なら排気凍結対策込みで5kW+
絶対にやってはいけないこと

① 排気管を車内側・ステップ方向に向ける ② 排気管の隙間を未処理にする ③ 排気管を樹脂・配線・木材の近くに通す ④ 燃料ホースをタイラップだけで固定する ⑤ 燃料ポンプを水平に取り付ける ⑥ ヒューズなしで直結する ⑦ CO警報器なしで就寝使用する ⑧ 雪で排気口が塞がる場所で使う ⑨ 点検できない場所に排気管を隠す

BONUS ROOF AIR CONDITIONER

真夏の車中泊を救う、
ルーフエアコン後付けの完全ガイド。

FFヒーターと並ぶ、車中泊の快適性を決定づける装備。DIY可能ですが 雨漏り対策電源容量 の2点でつまずく人が大半です。 選び方・取り付け手順・防水処理・電源設計・車検対応まで、1枚に凝縮しました。

— 真夏0時、車内26℃。
ハイエースにルーフエアコンを後付けする完全ガイド:選び方・取り付け方・失敗しやすい点・車検/構造変更・電源設計まで実践まとめ
SHORTS / DIYの記録
REAL FOOTAGE
実際にハイエースへ後付けした、ルーフエアコン取り付けの実録Shorts。
YouTubeで開く
THE FIVE FUNDAMENTALS

本質はこの5つ。

① 冷えるか

消費電力と冷房能力のバランスを見る。最大800W → 100W前後で巡航するモデルが車中泊向き。

② 何時間動くか

LiFePO4 200Ah+走行充電+ソーラーが実用域の起点。300Ah級なら一晩通して安心。

③ 雨漏りしないか

ブチルテープ+シーラント+台座処理の3重防水。「面で止める→外周で止める→室内で確認」の順。

④ 走行中に安全か

屋根上は重心への影響大。重量・固定方法・補強板で多点固定。溶接ではなく確実なボルト固定が基本。

⑤ 車検で困らないか

全高・重量・固定方法・構造変更を 事前に検査場へ確認。寸法±3cm、重量±100kg(軽は±50kg)を越えるなら構造等変更検査が必要。

一番安全な進め方

① 先に検査場へ確認 → ② 電源設計を固める → ③ 最後にルーフ加工。順番を逆にすると、せっかく開けた屋根が無駄になることがあります。 配線が細いと発熱・電圧降下・BMS遮断・火災のリスク。最大電流に耐えるケーブル・端子・ヒューズを必ず使うこと。

CHAPTER 08 / REGISTRATION

8ナンバー(キャンピング車)構造変更

1ナンバー/4ナンバーから8ナンバー(特種用途自動車=キャンピング車)への構造変更。 自動車審査事務規程に沿った 4種類の設備要件図面・諸元計算書・難燃証明 を整えれば、DIY車両でも合格可能です。

SHORTS / 検査当日の実録
REAL FOOTAGE · YOUTUBE SHORTS
自分のハイエースで実際に通した、8ナンバー構造変更の記録。
YouTubeで開く

構造要件の基本4本柱

就寝設備

ベッド面積と就寝定員の整合性、ベースフレームの車体固定、走行中に動かない構造。

炊事設備

シンク含むキッチンブロックの車体固定、コンロを安全に設置できる天板と区分。

給排水設備

給水/排水タンクが別体で区別可能、確実な固定、排水は必ず排水タンクを経由。

収納・テーブル

食器・調理器具の固定収納、テーブル機能(着脱式可)、単純な荷室とは明確に区分。

構造変更に必要な主な書類

  • 自動車検査証(車検証)
  • 構造等変更検査申請書(OCRシート)
  • 手数料納付書/自動車重量税納付書/自賠責保険証明書
  • 改造概要説明書(使用目的と改造内容)
  • 諸元計算書(重量・寸法・就寝定員の計算根拠)
  • 図面(平面図・側面図・断面図)
  • 難燃証明書(シート・マット等)/設備仕様書

車検当日の流れ

  1. 予約・受付:構造等変更検査/用途変更を選択
  2. 保安基準適合性の確認:灯火類・ブレーキ・排ガス
  3. 構造変更部分の検査:ベッド展開/固定/シンク・排水
  4. 重量測定と書類整合:給水タンクは実使用水量を入れて測定
  5. 合否判定:適合なら当日中に新しい車検証が交付

よくある不合格例と対策

設備固定不足

ベッド/キッチン/タンク類がボルト固定されておらず走行中に動く可能性がある。対策はフロア補強材にボルトナット+L字金具/ラッシングレール

難燃証明・材料不備

マットレス/内装材の難燃証明が提出できない。対策は自動車用難燃生地・マットの採用とカタログ持参

給排水設備の不備

タンク一体型で区別できない/排水が路面に流れる。給水・排水の完全分離、確実な固定、排水タンク経由を再確認。

図面・諸元計算書との不整合

記載寸法と実車が異なる。改造中に仕様変更したら図面と計算書も必ず更新してから検査へ。

CHAPTER 09 / COSTS & FAILURES

DIY費用の全体像と、先人の失敗

レベル別総額の目安と、初心者が必ず通る「5つの失敗」+ベース車選びでの「5つのやらかし」。 先に知っておけば、ほぼ全て避けられます。

LEVEL 01

最低限

床貼り+ベッドキットのみ。車中泊を始める最短コース。

5〜10万円
LEVEL 02

標準

断熱+床+ベッド+電源。連泊にも対応する一般的ライン。

15〜25万円
LEVEL 03

快適仕様

キッチン・収納充実。長期旅行も視野に入るクラス。

30〜50万円
LEVEL 04

本格フルDIY

全面断熱+家具造作+電装フル装備。住めるレベル。

50〜100万+

初心者が陥りやすい失敗と対策

① 収納を考えずにベッドを作った

ベッド下の高さを最初から収納として設計する。

② 電源が足りない

ポータブル電源1台では連泊で不安。ソーラーor2台体制を最初から。

③ 断熱なしで夏・冬に後悔

内装完成後の断熱は全バラし必要。必ず最初に。

④ 変更不可の固定式にしてしまった

取り外し可能な設計(イレクターパイプ等)を意識。

⑤ 工具を揃えるのを後回しに

電動ドライバー・ジグソー・サンダー・パイプカッターは最初にレンタルでも。

ベース車選びでよくある失敗

① 安さで走行距離多い1〜2型を購入

エンジン・ミッション修理費が高い。最低限の走行歴チェックを。

② ボディが大きすぎて自宅に停められない

購入前に駐車場の高さ・幅・長さを計測。

③ 構造変更届出が必要と知らなかった

8ナンバー化の必要性を事前に陸運局に確認。

④ ガソリン選んで長距離で燃料費高騰

年間走行距離から損益分岐点を計算してから選ぶ。

⑤ 中古購入後に盗難に遭う

購入直後にセキュリティ強化(イモビライザー/GPS)。

最低限そろえたいDIYツール一覧(インパクトドライバー/ジグソー・丸ノコ/サンダー/パイプカッター/メジャー・差し金/保護メガネ・防塵マスク)

初回はレンタルで揃えて、DIYを続ける確信が持てたら購入するのがおすすめ。

BONUS / DIAGNOSTIC

あなたにぴったりのハイエース診断

どんなキャンプスタイルか、4つの分岐であなた向けのハイエースを診断。

荷物が多い/ファミリー
→ ワイドスーパーロング・ハイルーフ(スーパーGL)
→ 長距離多い=ディーゼル/近距離=ガソリン
1〜2人でのんびり車中泊
→ 標準ボディ・ハイルーフ(スーパーGL)
→ 安全重視=5型以降/コスパ優先=3〜4型中古
本格的にゼロからDIY
→ DXグレード(標準 or ワイドSL・ハイルーフ)
→ 3〜4型の走行距離少ないもの
雪山・北海道など極寒地
→ 4WD + ディーゼル(5型以降推奨)
REAL LIFE WITH THE HIACE

DIYで作ったキャンピングカーで、
こんなふうに遊んでいます。

スペックと図面の話はここまで。実際にこの車で過ごしている、ふつうの週末・ふつうの旅の様子を、自撮りShortsで3本だけ。 車中泊って、こういうことです。

— shot on this very Hiace.
SHORT · 01
朝、車内のベッドから空を見上げる。
YouTubeで開く
SHORT · 02
週末、ふらっと走り出した先で。
YouTubeで開く
SHORT · 03
日が落ちてからの、車内タイム。
YouTubeで開く
YOUR FIRST BUILD

「誰と、何人で寝るか」さえ決まれば、もう始められる。

一人でシンプルに始めたいなら レイアウト①か②、子供の成長に合わせて使うなら レイアウト④。 どの仕様でも 「断熱 → 床 → 電源 → 家具」 の順番が失敗を防ぐ鉄則です。

プレミアムなインテリア
SHOT 02 · INTERIOR
杉無垢で仕上げた車内ダイネット
good light makes good food taste better.